■「エコハウスやまなし」の「6つのテーマ」
エコハウスやまなし基本的な考え方として、次の「6つのテーマ」があります。
1.環境基本性能の確保
この建物では、住まいの基本的な性能向上を目的に
1)断熱 2)気密 3)日射遮蔽 4)日射導入5)蓄熱 6)通風 7)換気 8)自然素材
などを実践しています。
住まいの基本性能を確保することで、住まいに必要なエネルギーを最小限に抑えるこができ、
かつ快適な住宅となっています。
2.自然・再生可能エネルギー活用
環境基本性能を確保した上で、自然エネルギーを最大限利用し
なるべく化石燃料に頼らない生活ができることをエコハウスでは考えています。
山梨市の地域特性をよく読み取り、自然エネルギー(太陽光、太陽熱、風
水、バイオマス、植物、温度差など)を上手に生かす技術や工夫を行っています。
3.エコなライフスタイルと住まい方
現在人口は減少の傾向にありますが、その反面、世帯数が増え家庭からのエネルギー消費量が増加しています。
少し前の日本では当たり前であった家族が集まって住む菜園付き住宅を新しい仕組みで考えた、
現代風のライフスタイルとして提案しています。
住まい手側からも、日除けのために大きめの木を植えたり、緑のカーテンを作ったり、
暑い時は窓を開ける、寒い時は一枚着るなど住まう側の意識や行動も大切に培っていかなければならないと思います。
暮らしながらみんなで作りあげるという、 これからの時代に合った、
エネルギー効率の良い住まい方を目指します。
4.山梨市らしさ
エコハウスが地域で永く受け入れられる、魅力ある住宅であるためには
地域の気候風土、文化に根ざした、地域らしい住宅でなければなりません。
その地域らしさは、地域の気候風土、文化などにより長い間培われてきた地域資源でもあります。
周辺環境、材料、工法、デザインなど、地域の特色を生かした住宅を考えました。
この住宅では、山梨市の古い民家に見られる越屋根という屋根の上に飛び出した屋根をつくっています。
ここにたまった暖かい空気を夏季には高窓から逃がし、冬期には「サーキュレエーションパイプ」という循環用のパイプを通してこの暖気を床下に導き、ほのかに足もとを暖める簡易的床暖房としております。
また、季節感のある山並みを臨むことができる机や、万力林や花火大会が見れるプライベートバルコニーをつくったり
アプローチは笛吹川の河原をイメージして、故郷を感じ、郷愁を感じるようなデザインをしています。
5.失われつつあるコミュニケーション
家族が日々暮らしていく上で大切な要素として、家が「コミュニティ」である事も大きな柱として考えています。
■自然と・・・
エコハウスとして自然エネルギーを工夫しながら有効に利用する事で自然との”コミュ二ケーション”を取りながら快適に暮らして行きたいと考えます。
■家族と・・・
平面計画は、家族同士のつながりを考えた「オープンプラン」としており家族の気配が感じられることで、
家族間の”コミュ二ケーション”が取れる空間を考えております。
■地域と・・・
昔に民家のタタキの土間をイメージした広い玄関やポーチは、近所の方々との井戸端会議や
家庭菜園でできた自家製野菜の直売などもできるスペースとして考えます。
またデッキやベンチなどの靴を履いたまま腰掛けて通りかかった人と話しができたり、
休んでお茶を飲んだりできる家族と地域との”コミュ二ケーション”が出来る場を仕掛けています。
6.住まいとして
最後に私達が取り組んだ想いは「住まい」についてです。
エコハウス(展示場)とはいえ、日々の暮らしを念頭において設計をしています。
背伸びしたり、型にはめられたりするようなデザイン住宅ではなく暮らす人が自然体でのびのびと暮らせる家にしたいと思いました。
意識せずに自然や季節感に包まれることを意図し
日の出から日の入りまで直接光や反射光による光の演出や
流れる風の心地よさ、風を視覚的にイメージさせるデザインをし
窓から見える季節の移ろいや草花によってやすらぎを感じられる
場所を作りました。
この家にはそんな、季節や時間による特等席があります。
そのお気に入りの場所で机に向かったり、まどろんだり
季節や天候や時間によって雰囲気がかわる空間や
新しい発見のある楽しさも盛り込んでみました。
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